コンプリートしたのでプレイ直後の感想を残しておこうと思う。プレイ中に書いたことと重複する部分もあるがお付き合い頂ければと。あと長いので面倒な人は、さて、ここからが本題まで飛ばすのを推奨。
 
 『明日の君と逢うために』(以下、明日君)は『はるのあしおと』でシナリオを手掛けた鏡遊、北川晴の二人がシナリオを担当するということで、発売前から少なからず期待していたのだが、結果は予想を上回る出来だった。あくまで主観で恐縮だが、近年稀に見る良作萌エロゲだったように思える。(シナリオ攻略系のエロゲが目的達成の過程でヒロインと結ばれるのに対し、女性攻略系のゲームはヒロインと結ばれることそのものが目的になっていて、これを萌エロゲと私は呼んでいる。)
 
 萌エロゲにおいて最も重要な要素とは、キャラクター造詣、突き詰めればヒロインがいかに魅力的であるかに尽きるわけだが、プレイヤーを引き付けるのに容易で効果的な萌要素、即ち属性付加という手法がある。妹、姉等の間柄から、巨乳、ロリ等の容姿、ツンデレ、ヤンデレ等の性格まで多種多様な属性があり、キャラ付けに一役買っているというわけだ。しかし昨今の萌エロゲでは安易に萌要素を組み合わせ過ぎていて、食傷気味になっているプレイヤーもいるというのが現実だ。これは属性の弊害とも言うべきもので、キャラクターがテンプレート通りの行動を取るために起こると思われる。幸か不幸か私はさほど気にならない性質なのだが。
 さて、ここからが本題。『明日君』においてキャラクターを眺めてみると、幼馴染、巨乳な後輩、ツンデレ、金髪ツインデレ、姉、ロリな先輩と属性のオンパレードである。悲しいけど、これ現実なのよね。しかし敢えて言おう、全く問題なかったと。いや、テンプレート通りの行動もするんだけどね。でもツカミのためにやるのは問題ないと思うんだ。キャラクターの魅力は本質的には行動理念に依る所が大きくて、魅力が無いキャラというのは信念が薄いんじゃないだろうか。単に好みの問題かも。結局言いたかったことは『明日君』のヒロインはみんな可愛かったし、魅力的だったということだけなんだ。すまない。

gdgdな感じで?に続く。

 
 萌エロゲで次に重要なのは、テキストの軽快さとノリが合うかということだ。これは本当に重要なことで、誰もエロゲしてまで冗長な文を読みたくはないし、笑えない、楽しめないコメディパートは、苦笑こそすれども退屈なものだからだ。本当に幸運なことに、『明日君』のテキストは終始楽しんで読み進めることが出来た。誰かがボケるとちゃんとツッコミが入るのが小気味良いテンポを生み出していて、ストーリーを進めようという気分にさせてくれる。ボケに対してさらにボケるという、人類総白痴と呼ばれる高等テクを使うゲームもあるが私は好きになれない。やはりツッコミが入らないと気持ち悪いのである。七海というキャラがいるが、コメディパートにおいて彼女は八面六臂の活躍をする。サブヒロインながらこのゲームの影の功労者は彼女だと言っても過言ではないだろう。

 萌エロゲであったとしても、人によっては上記二つのポイントよりも重要視する要素として挙げられるのが、シナリオの構成力である。私は萌エロゲでは軽視しがちなのだか、無視して良い要素でもないので少し触れておこうと思う。萌エロゲのシナリオというのは、ヒロインの問題なりトラウマなりを主人公がヒロインと協力して解決するというのが基本的な流れで、『明日君』もそういうシナリオだ。ただ『明日君』の良いところは、全てのルートで主題が一貫しているところ。どのルートでも描いていることは同じなんだけど、だからこそ立場の違いによる対比が生きてくる。惜しむらくは終盤かけ足ぎみに進んでしまうので盛り上がりに少々欠けるところだろうか。

 グラフィックに関しては言うことなし。OPムービーに始まり、全て高値安定。声優もエロゲでは有名な方たち。システムは付いていて欲しいものは付いてた。

 総合的に見て、かなりハイレベルにまとまった萌エロゲであるというのが結論。入門用に適していると言ったのは、毒されていないほうが属性まみれのヒロインたちに素直に萌えられるから。でも総合力が高い萌エロゲなのでこれを基準にしてしまうと次が続かない恐れがあるという意味ではやらせたくないな、と。

その?に続く

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